アバンチュールは終わりにして最愛の人の元へ帰ろう

正直な近辺、自分はN・Aの影響に揺らぎかけたが、寸でのところで踏み止まりそれほど最初戦を乗りこえまいという頑なに目の前の女房を見離した。
「たいてい、また来てくれたら相応しい……かな?」
「やはりまた生じるさ。それも、あくまでもお客としてね」
自分はこの先もN・Aって顔を合わせる度に気持ちが完全にこういう女房に向いていって仕舞うという心配を抱いた。
「とすれば、また数年上」
「なによソレ。毎日来てよ」
「お断りね」
益々多い頻度で訪問してくれと懇願された瞬間、自分は今のこれというなら一度ぐらい……とすら思えてきた。
但し、一体全体よくできた女房はそのあたりは弁えて掛かるようだ。
あちらも、現在改めて自分に作戦を出せばどうなるか、というフラストレーションを繰り広げて掛かるに違いない。
「三ヶ月上、かな」
決してくる気もないが、その頃には自分が抱きつくべきは今の家内か、又は最悪……いずれにせよその時にはレスポンスは出ている筈だろう。
「有難い生年月日を」
最初真夜中のささやかなアバンチュールを締めくくると自分は有楽町の混雑の間、駅舎へという向かって言う。